欠席の理由
『明日一家でスキーに行くので、学校を休みます』という欠席の届をしてきた生徒がある。私は一瞬答えに詰まってしまった。
学校の欠席理由と言えば、病気や怪我と相場が決まっている。今までも学校を休んでスキーに行った生徒はあっただろうが、その場合でも表向きは風邪とか腹痛とかもっともらしい理由をつけていたはずだ。スキー欠席など許されないというのが学校の常識である。
私はあるクラスの出席簿で、欠席生徒の欄に『子守りのため』という注釈がついているのを見て感動したことがある。たとえば幼児のいる家庭で母親が病気になったり、両親とも働きに出ていて休めないような事情があるときは、高校生の兄や姉が休んで子守りをするのは当然であろう。ところがそれすら認めないような雰囲気が学校にはある。そんな中で、あえて『子守りのため』と書いた担任を私は尊敬する。
『何をさておいても学校を優先すべし』という考え方は、明治期に学校教育を定着させるために徹底されたのであろう。その段階での歴史的な意義は充分認めたい。
しかし今、生徒達が家庭の事情など一辺の配慮もせず、自分達の勉学や部活動の都合を最優先して平気でいるのは気にかかる。学校でも家庭でもそれを当然としているのを見るとなおさらだ。必要なら学校を休んででも家庭の一員としての務めを果たさせることこそ、本当の教育ではあるまいか。
ただその場合、子守りは是か否か、家族スキーはどうかという問題に、親も教師も直面しなければならないのは事実である。
学校の日常風景
幼稚園に来た手紙 根性のある話 廃止されたリレー 欠席の理由
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