平成風景点描 について
私が少年期から青年期を通じて過ごした昭和は「激動の時代」などと言われたが、それに比べれば平成時代は「停滞の時代」とでも言えそうである。人々はそれなりに安定した生活を営んでいて、何はともあれ、それはとりあえずは好ましいことだと、私は感じていた。
しかし、具体的な現実を見てみれば、気の滅入るような不愉快なできごともあり、このままでは先が思いやられるというようなできごともあった。そしてそれらの中には、相も変わらぬ日本社会の体質に根ざしていると思われるものや、旧来の社会システムや価値観が崩壊したのに、それに変わるべき新しい価値体系がまだ見いだされていないために生じた混乱などが複雑に混ざり合っているようである。
しかし、この文章はそういう社会学的な考察ではなく、私が接した人々の姿や、身近に見聞きしたできごとのいくつかを点描し、それに若干の感想を添えたものである。
平成風景点描
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