原爆切手の衝撃
衝撃的なニュースを聞いた。第二次大戦終結五〇周年にあたる来年、アメリカが原爆のきのこ雲をデザインした記念切手を発行するというのだ。その切手には『原爆の投下が戦争の終結を早めた』という文章も刷り込まれるという。我々日本人には信じられないような無神経さである。私は原爆問題に関するこれまでの認識を改め、アメリカに対する評価も修正しなければならないと痛感した。
原爆の投下が戦争の終結を早め、より大きな犠牲が出るのを防いだという考え方は以前からあった。私も事実はまさにその通りだろうと思う。もし原爆が投下されなければ日本は本土決戦に突入しただろう。そうなれば政府が崩壊し、指揮系統を失った軍隊がゲリラ化して凄絶な戦いを始め、日本全土で民衆の集団自決が起こっただろう。犠牲者の数は何倍にもなったのではないかと思う。
当時、アメリカの懸念もそのあたりにあったのだろうし、原爆の悲惨さが事前に充分認識されていたかどうかもわからない。だから、私はあの時点で原爆投下の決定を下したアメリカを批判するつもりはない。しかしその後、原爆がどんなに悲惨なものであるか充分明らかにされた。それにもかかわらず原爆を賛美するがごとき記念切手を発行しようとする今回の計画は絶対に許せない。
アメリカがこういう計画をたてた裏には、原爆の惨禍に対する無知と、政策の当否を犠牲者の人数で測ろうとする非人間的な合理主義と、自分達はすべて正しかったのだという思い上がりがあるのだろう。我々はそれらすべてを真正面から批判しなければならない。
ああ、日本人
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