1PPM
大気中や水中の有害物質の量をあらわす単位に、PPMというのがある。
一PPMといえば百万分の一のことで、たとえば、大気や水の全体量を一メートルの長さであらわせば、一PPMの物質は千分の一ミリ、顕微鏡でやっと見える長さにしかならない。このように一PPMといえばきわめて微少な量であるから、この程度の汚染はたいしたことがない、と言えば、おそらくたいていの人は納得するだろう。
ところが、である。全体量を一立方メートル、およそお風呂一杯分の水であらわせば、それに対する一PPMは、一立方センチメートル、およそ角砂糖一個分の大きさになる。こうなるとずいぶんイメージが変わってしまうもので、一PPMの有害物質を含む水を飲めと言われれば、たいていの人はためらってしまうに違いない。
このような印象のずれは、片方は直線という、いわば一次元で表現し、他方は立体といういわば三次元で表現していることから生じる。論理的にはどちらも間違ってはいないのだが、一PPMを説明するのにどちらが適当だろうか。もちろん目的にもよるが、普通はより生活実感に近い立体の方がよいということになろう。
グラフで表わす場合なども要注意だ。一次元の棒グラフは誤った印象を与える可能性が高く、心理的トリックにも使われる。
実は、私自身もこのことを人に指摘されて初めて気づいた。至るところで数字とつきあって暮らさなければならない今日では、充分に心しておきたいことである。
ふしぎ大好き
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