プルト君のウソ
動燃が制作したプルトニウム利用推進のPRビデオに問題があると、米国のエネルギー省長官がその回収を迫っているそうである。日本国内のビデオに、外国政府の高官がクレームをつけ、回収まで要求するというのはよほどのことに違いない。
特に問題になっているのは、プルトニウムが体内で吸収されず安全であるとして、プルト君という少年がプルトニウム溶液を飲むアニメシーンだという。
私自身はこのビデオを見ていないので断定は出来ないが、たぶんごく薄い濃度の溶液で、消化器からの吸収に限定して言えばこのビデオの通りなのであろう。その意味では科学的に正確なのだろうと思う。
しかし、たいていの人は、飲んでも大丈夫な物質であれば、体外にあればなおさら安全なのだと拡大解釈してしまう。ところが、これがとんでもない誤解なのだ。
プルトニウムの酸化物が細かい塵となって空気中に浮遊した場合、それを吸い込めば肺の中にとどまって排出されないため、極めて有害だと言われている。なんと、一億分の三グラムで発ガン性を示すというのである。そのような事実をこのビデオは正確に指摘しているのだろうか。消化器からの吸収の有無とその物質の安全性とは別問題なのであるが、このビデオはそれを故意に混同させている可能性がある。もしそうだとすれば悪質だ。
そういえば、ある科学者が、プルトニウムの放射能はラジウム温泉で有名なラジウムより弱いのだと書いていたが、これなども同列の心理的トリックというべきであろう。
ふしぎ大好き
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