愛鳥週間
先日、小学校三年生の長男が下校途中の道でけがをした雀を見つけて、家へ連れて帰ってきた。長男にせがまれた妻はその雀を獣医に手当してもらい、エサも買ってやった。
私が勤め先から帰ると、長男は眼を輝かせてそのことを報告しその雀を見せた。家に鳥かごがないので、雀はかぶと虫などを飼う大きめの虫かごに入れられていた。
巣立った直後なのであろうか、きれいな羽根をしていた。私は『野鳥を飼うのは難しいよ、お父さんも子供の頃けがをしていたカラスを飼ったことがあるけれど、二、三日で死んでしまった。』と自分の経験を話した。
翌日、勤務先の学校から家に電話しようと公衆電話のある正面玄関に行くと、雀が一羽バタバタと飛び回っている。外へ出ようとしているらしいのだが、玄関の大きな一枚板のガラスにぶつかってしまうのだ。私はドアを開けて雀を外に出してやった。 家に電話すると妻は私の用件も聴かぬうちに『雀が死んでしまった。太郎(長男)は布団にくるまって泣いている。』と興奮した声でまくしたてた。長男は人一倍思い入れの強い性格なので相当ショックだったらしい。
今、愛鳥週間である。別にそれを意識したわけではないが、この二、三日、わが家は雀に明け雀に暮れた。普段は私がハラハラするほど厳しく子供を叱ることの多い妻も、この件に関しては長男のわがままをきいてやった。普段は読書に縁のない長男も学校の図書館で雀の本を借りてきて読んでいる。家族が皆一羽の雀を案じた結果、愛鳥週間はわが家にとっては家族週間となったようである。
五人と一匹
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