2023年1月30日月曜日

               輪番制の意義


 二、三年前の事である。他府県のある学校から一人の先生が本校へ視察にきた。三十代の後半だというその先生は、本校の先生との雑談の中で『私、この年で英語科の主任に任命されましてね、大変なんですよ。』と言ったそうだ。いかにもその口ぶりが自慢気だったと、後でひとしきり話題になった。

 たぶん彼はその実力を評価されて、校長から英語科の主任に任命されたのだろう。それが彼の誇りであり、彼は校長の期待に応えるべく、英語の先生を叱侘激励しているに違いない。たしかにあの年では年上の先生もいるだろうから大変だと皆が同情したのだった。

 滋賀県の場合は、教科主任はたいてい年齢や実力に関係なく、その教科の先生が輪番で勤めている。別に何かでそう決まっているわけではないが、私の知っている学校はすべてそうだった。この点については校長が口をはさんだという話も聞いたことがない。教科主任には法律上の規定がないからだろう。

 このように教科主任を決めることのメリットは、教科指導においてその教科の各先生の独自性と平等が保証されることだ。教科主任はあくまでも各先生の間の連絡調整役に過ぎず、教科指導の内容や方法に関して指示を与えたり命令したりすることはない。

 学校に縦割り的な管理が強化されつつある今、こうした教科指導の独自性の保証は貴重である。最近、滋賀県の高校の有名大学進学率は四十八都道府県の中で下から二番目だという話を聞いた。だから教科指導のあり方を見直そう、教科主任の任命制だ、などとならないようにと願っている。

教育現場から

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