矛盾を糊塗する方法
NHKの番組の中で、国立教育研究所の某氏が『学習指導要領で示された内容はその教科で教えるべき事柄であって、全ての生徒に理解させるという趣旨のものではない。理解できるのは生徒の三割ほどであろう。』という驚くべき発言をしたという。
私はこの番組を見ておらず前後の文脈がわからないが、この部分から判断する限り『わかる者だけわかればいい。落ちこぼれが出るのは当然だ。』という意味にとれる。以前から文部省の本心はこのあたりだろうと思ってはいたが、こうあからさまに言われると、あまりの衝撃に呆然としてしまう。
新教育課程で、高校理科の各科目(物理、化学、生物、地学)は、A、Bの二系統に分けられ、どちらかを選ぶことになった。そのうちA系統の方はトピックスの寄せ集めで、科学本来の論理性も系統性もない。文部省は科学技術の発展に対応したものだとか、生徒の興味関心の多様化に応えるものだなどと言うが、それはあくまでも建前に過ぎない。
実際は、小中学校教育の破綻によって高校で系統的な学習をするだけの基礎力のない生徒が増え、このような内容でしか授業が成立しなくなったためである。つまり、詰め込み主義、切捨て主義の小中学校教育の矛盾を糊塗するためのものなのだ。表面上、科学技術の発展に対応するという看板を掲げてはいるが、実質的には科学教育の放棄である。
いままで文部省はすべての矛盾に目をつむってきた。ところが、もはやそれではどうにもならなくなったので、矛盾に覆いを掛け、その覆いに花を飾ろうということらしい。
教育現場から
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