2023年1月29日日曜日

              全会一致


 細川元総理の証人喚問が『全会一致』で決まった。ところが、この『全会一致』なるものはずいぶん乱暴なもので、かつて私が『全会一致』という文章を書いたときには想像もしていなかった事態である。しかし別の言い方をすれば、あのとき指摘した懸念がより露骨な形で実現してしまったとも言える。

 今回の場合、委員会の採決の場で公然と反対する議員がいるにも関わらず、議長は全会一致を宣言した。その根拠は、委員会の本会議に先立って開かれた理事会で『反対の議員は委員会を欠席して全会一致で決定する』ことが合意されていたからだという。

 反対の議員が欠席しての『全会一致』というのもおかしな話だが、それはまだ許せるとしよう。しかし、理事会の決定を委員会本会議での議員の発言よりも優先させるというような無法がなぜ許されるのか。

 私は理事会というものがどのようなものかよく知らないが、いわば各会派の代表者による打ち合せ会であろう。その決定が本会議に優先するのなら、本会議は単なる儀式に過ぎなくなる。実体として本会議が儀式であることは以前から変わるまいが、今回はそれが公式に認められたということだ。その意味は実に重い。これは議会制民主主義の否定以外の何ものでもない。

 こういう無法なことが行なわれても、議員は党派的な利害からしか発言せず、衆議院議長もこの決定を追認したようだ。マスコミからも本質を突いた批判は聞かれない。これが深刻な事態だという認識がなくなるほど日本の民主主義は形骸化しているのだろうか。

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