税制論議のまやかし
また消費税率引き上げの論議が盛んになってきた。その中で、間接税の比率を上げるべきことは当然とされているようである。しかしその根拠として言われていることは、いずれも事実誤認または論理のすりかえである。手元にある国税庁発行のパンフレット『わたしたちの生活と税』によってそのいくつかを指摘しておこう。
まず、諸外国との比較で、日本の間接税率が低いと言われる。たしかに、日本は二十七%で、軒並四十%以上というヨーロッパ諸国よりは低い。しかしアメリカは九%で、日本の三分の一である。何でもアメリカと比較したがる人たちがこの場合だけなぜアメリカを度外視するのか、そして、なぜEU統合を控えた特殊事情のあるヨーロッパを比較対象とするのかききたいものだ。
次に、日本国内での直間比率の変化が言われる。たしかに、昭和三十年頃は直接税と間接税がそれぞれ五十%程度であり、その後徐々に間接税の比率が下がってきた。しかし昭和三十年の間接税の七割までは、酒税と砂糖消費税、それに専売納付金が占めていたのだ。それが平成五年度には一割にまで下がった。これが間接税比率低下の主要な原因であるが、この変化は主に政策的配慮によって生じたもののはずである。それを自然に下がったかのように言うのはまやかしというほかない。
私の見るところ直間比率是正の本当の目的は、所得税や法人税の高額納税者の優遇と徴税実務の軽減、それに増税のための条件整備であろう。もしそうでないのならもっと明確に説得力のある根拠を示してもらいたい。
サルの政治
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