マッチガソリン
先日、オウム真理教の麻原彰晃がついに上九一色村で逮捕された。その様子はここ二、三日繰り返し放送されているが、その当日は護送車両が上九一色村を出発して東京に到着するまでの全行程をTV局のヘリコプターが上空から生中継したのだそうである。オウム報道の加熱は当のマスコミ自体が認めていることらしいが、それにしても護送車両の動向の一部始終を中継して何の意味があるのだろうと考えて、私はハッと気がついた。
もしかして、TV局はこの隊列に迫撃砲でも打ち込まれることを期待して、その特ダネ映像を狙ったのではあるまいか。迫撃砲までは無理にしても、オウム信者が何等かの妨害工作を仕掛けて来る可能性がある。万一そうなった場合、絶対に他局に遅れを取ってはならない、そういう競争意識からこの報道合戦になったのではないかと思うのだ。
むかし『マッチポンプ』ということばがあった。マッチであちこちに火をつけて、騒ぎを煽りながらそれを報道する。そして適当な頃合いをみて今度は消防車(=ポンプ)となって火を消して回るというのである。こういう報道機関の無責任な『ことあれ主義』をうまく言い表したことばなのだ。
しかしポンプがついていればまだマシなのかもしれない。最近の報道機関は火はつけて回るがその後のことは責任を持たず、時には燃えさかる火にガソリンをぶっかけるというような、よりいっそう無責任な状態になっているのである。オウム報道でその傾向がますます強まったようだが、私はこれが常態とならないことを切に望んでいる。
マスコミに異議あり
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