すさまじき思い
この二、三日、年末の大掃除をしているので私の部屋が使えない。それで、昨夜、私は小学生の息子のベッドに寝た。息子と母親は別室に行き、私一人である。
普段と寝心地が違ったからだろうか、私は真夜中に目を覚ましたのである。最初、私は自分がどこにいるのか分からなかった。が、何秒か経ってようやく子供部屋にいるのだと気づいたのは、私のすぐ前には薄あかりに照らされた勉強机があったからだ。本棚の上の方や床に近い机の脚部は半ば暗闇にとけ込んで、教科書が乱雑に散らばっている天板付近だけが異様に明るく光っていた。
その光景を見ているうちに私は胸を締め付けられるような感覚を覚えた。これはこどもの机だ。そしてこどもの人生はこれから始まる。まだこどもの将来にどんな人生が展開するのか想像もつかないが、それはとりもなおさず様々な可能性が広がっているということである。今ならまだ将来をどのようにでも思い描くことが出来るし、そのために何でもできる。私は自分にもそういう時期があったことを思い出し、その頃、私が自分の将来に感じていた漠然とした期待や不安の感覚が蘇ってくるのを感じていた。
こどもがうらやましい、と、私は心底から思った。出来ることなら私ももう一度あの時代に戻りたい。しかし時の流れを逆転させることはできないし、まして私とこどもがとって変わることもできないのだ。夜の静けさの中で私はかすかな時計の音を聴き、一秒一秒と過ぎていく時間を感じながら、空しさと悔しさを噛みしめていた。
ああ、中年
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